言うまでもなく

とある地方内科医の戯言

X (Twitter) アカウントを消した

2014年から使い続けていたTwitterのアカウントを、思いつきで削除した。

 

ちょっと時間が空いたときにTwitterを開くことが日常であったが、同じくTwitterを使っている家族と、最近暗い気持ちになることが増えてきたという話をしていた。

仕事や生活のことなど理由は色々あるのだが、話しているうちに、Twitterによる刺激の強さが一因なのではないかという話になった。

 

Twitterのルールが変わり、かつての「承認欲求」から出るツイートどころではなく、誰もがインプレッションを稼ぐためにツイートをするようになった。結果、刺激が強く感情を揺さぶるようなツイートだらけになってしまった(と思っている)。

もともと自分はほとんどツイートしておらず情報収集のためにTwitterを続けていたが、上記を感じるようになってからなんとなく「疲れる」ような気がして、最近はあまり開かなくなっていた。それでも約10年の習慣からTwitterは日常に溶け込んでいたのだが、今回の話で続けることのデメリットがメリットを明らかに上回ると感じたため、そのまま勢いで削除してしまった。

 

週に何度か車で距離のある勤務先に行くことがある。以前は道中はPodcastで英語の勉強をしたりAudibleでビジネス書を読んだり(聴いたり)していたが、少し前からそれをやめた。ぼーっと(運転には集中して)過ごしていると、ふと新しいことを思いつくことがある。何かをしながらあれこれ考えてもきっと思いつかなかったようなことだと思う。何度かそんなことを経験し、最近は運転の時間が結構楽しみになっている。頭の中を何かで常に埋めていなければ不安になる状況から一歩足を引いて俯瞰してみることで、世界の見え方が少し変わる、ような気がする。

 

ずっとTwitterを見ていた時間を明日から自分がどう過ごすのか、楽しみだ。

文献マッピングツールLitmaps②

Litmapsの強み

文献マッピングツール (Literature Mapping Tools: LMT) にはいくつかあるが、その中でLitmapsを使いたい理由がある。

二次元マップの特性

たいていのLMTは、文献同士の「引用-被引用」あるいは独自の「類似性(similarity)」によって配置されている。これこそがLMTの、そうでない検索方法との違いである。 しかし各文献のポジションはランダムである。つまり、「文献Aが文献Bの右上(あるいは左下)にある」理由が(こちらにはわから)ない。

ツールによっては時系列に並べることができるものもある。例えばマップの下側により昔の文献が、上側により新しい文献が並ぶようにソートしたとしよう。しかしそれだけでは不十分である。なぜならマップは二次元だ(そのうち三次元以上になるかもしれないが)。これだけでは「左右」が活かせていない。 LMTにとってここは重要な点だ。 つまりマッピングと読んでいるからには、マップ(平面)の特性をすべて発揮してもらいたいのである。

Litmapsで二次元空間のルールを決める

そこでLitmapsである。Litmapsは他のLMTと同じようなTitle Similarityによるマッピングの他に、縦方向と横方向それぞれに意味を持たせたマッピングを行うことができる。

このように、単純だが「二次元空間を使っている感」が得られるのが、Litmapsの利点の1つである。

文献マッピングツールLitmaps①

Litmapsとは

app.litmaps.com

Literature Mapping (文献マッピング) ツールの一種。
似たようなツールに、Connected PapersやIncitefulなどがある。  

登録

アカウント登録が必要。  
Free版とPro版があるが、Proは$480 USD/year(educational useだとProでも$120 USD/year。ただし自大学(in Japan)は登録されていないようで、"Please email support@litmaps.com to have your academic institution added to our whitelist."と言われた)。


Freeでも結構使える。作成したマップはFreeだと1つしか保存できない(Proだと無限に保存可能)が、保存したマップを消せばまた次のマップを保存できる。この点は、毎月のマップ作成数に制限があるConnected Papersよりも使いやすい(有料版はConnected Papersの方が良心価格で、アカデミックプランは$3 USD/month, ビジネスプランは$5 USD/month)。

 

マップの使い方

以下、無料版で説明。
  

ここをクリックし、Find an articleからSeedにしたい論文を指定。

手打ちで検索してもいいし、.bibファイルや.bibtexファイルをインポートしても良い。

検索するとこんな感じ。

探している論文が見つかったらチェックを入れてContinueを押すと、

わーい。

 

この右側の図のことをマップ(Litmap)と呼ぶ。

点はそれぞれ一つの論文を示していて、

  • 点の大きさ
  • 点の座標(X軸およびY軸)

を編集できる。デフォルトだと、

  • 点の大きさ:その論文が引用された数 (Cited By #)
  • 点の座標(X軸):年 (Date)
  • 点の座標(Y軸):その論文が引用された数 (Cited By #)

になっているのが分かる。

ちなみにこの状態だと結んでいる線は引用-被引用を表している(上の図だと右のほうがDateが新しいことになっているため、線で結ばれた右の論文が左の論文を引用していることになる)。

この、全体の中でのそれぞれの論文の位置にも意味があるというのがLitmapsの特徴である。